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もし、自分の生きる今の時代が格差社会ではなかったら…… 

今日も秋葉原の事件のことから取り上げて、そのネタを掘り下げて記事を書いていくつもりなのだが、犯行に至った動機と労働問題の関係の有無の真偽は兎も角、この件をきっかけに、俺も昨今の「格差社会」について、改めて色々なことを考えたのだ。

これから、数度の更新に分けて、それを少しずつ書いてみたいと思っているんだけれど、何を隠そう、私はあの犯人と同じ雇用形態で似たような職に従事する労働者をやっている一人なのだ。
だから、その辺の人間よりも突っ込んだ事情が何となく理解できる面もあったりするかも知れない。

俺は昨日、「もし、今の日本がこういう格差社会じゃなかったら、彼はマトモな社会人になっていただろうか?」などと書いたよな。
赤木智弘の「希望は戦争」とかいう説を読んでもそういうことを考えたんだけれど、他ならぬ自分自身、今の日本がこんな格差社会じゃなくて、雇用とかがここまで流動化していない社会だったら、自分はどういう人生を歩んでいただろうか?

時々、そういう想像をすることがある。

こちらのブログは原則、あまり自分の個人的なことは書かない方針にしているから、細かいことは書けないんだけれど、格差社会じゃなくて、こんなに雇用が厳しい社会じゃなくて、結婚して子を儲けていたとしても、今の万倍、幸福感を味わって、満足した生活を送れている自信があるわけではない。
やはり、何かしら不満や悩みを溜め込んで、毎日を過ごしているだろうなって気がするし、自分の場合、格差社会じゃなくても筋金入りの駄目人間になっているかも知れないな。

ただ、たまたま自分が生きている今が、そういう厳しさの時代に重なったことで、良かったと感じているようなことを挙げるとしたら、このブログがその表れのひとつかも知れない。
もし、何でも国とか企業に頼っているだけで、何となく安定した生活を送っていられるような人生だったら、正しいか間違っているか、賢いか馬鹿なのかは兎も角、自分はここまで物事を考える習慣が身につく人間にはなっていなかったんじゃないかな。
2008/07/02 22:00|格差社会、経済大国の貧困CM:0
 

難民が50万人に増える社会 

厚生労働省の調査によると、全国に「ネットカフェ難民」が5400人いることが分かったそうだ。

しかし、例えば、下記の記事を読んだ印象では、当局に非協力的な業者が多いような感じなので、そんな調査結果は当てにならないような気がする。

「ネットカフェ難民」は差別語だ…業界団体が声明発表

「難民」と呼ばないで―。全国のインターネットカフェやマンガ喫茶約1400店が加盟する「日本複合カフェ協会」は29日、「ネットカフェ難民」は差別語だとする声明を発表、今後は使用を控えるよう訴えた。イメージが低下し「風評被害に近い」ダメージを受けているという。同協会は、いわゆるネットカフェ難民が全国に5400人いるとの推計を発表した、厚労省の姿勢にも抗議した。

 「難民」の言葉をはり付けられ、現場では深刻な問題が起きていた。「日本複合カフェ協会」によると、各店で女性客の足が遠のいたとの報告が7月ごろから増えた。本来、男性客が多かった業界で「ネイルサロンを設置するなど各店努力して、女性が増えてきていたのに」と肩を落とす。

 また、オンラインゲームを楽しんでいた人が、対戦相手からカフェでの参戦を突き止められ「やーい、難民が来た」と書き込まれて傷ついたケースも。保護者や教師が、子どもに出入りを禁止する例も増えているという。

 「『難民』はいくらなんでもひどすぎる」と、同協会は29日、メッセージを発表。「中には定職に就くことが難しい方もいらっしゃるでしょう。しかし、私ども複合カフェにとっては皆さん大事なお客様なのです。私たちはそのようなお客様を決して『難民』とは考えておりませんし、絶対呼びません」とある。

 また「あたかも浮浪者風情の人が夜な夜なネットカフェに集まっているかのような報道が、多くのお客様の足を遠のけている」と指摘。7月17日に続いて、同様の趣旨をより強く訴えた。

 日雇いの仕事などをしながらネットカフェを泊まり歩く人を指す「ネットカフェ難民」は「今年1月のテレビ局の深夜報道」がきっかけで流布したとされる。国会でも取り上げられ、厚労省が実態調査に着手。同協会も協力を打診されたが、言葉の定義や使用に疑問を投げかけてきたという。

 28日に調査結果を発表した厚労省には「『初めに結論ありき』の調査手法」「『ネットカフェ難民』の存在をことさら問題視して対策費を計上しようとする厚労省の姿勢に抗議する」とした。

 「年末の流行語大賞にでもなってしまったら…」と、同協会では最悪の事態を懸念。「就労支援をしていくなら、ネットカフェを隔離するのでなく、24時間使えるハローワークとしていかすような発想をしてもらえないか」と語り「柳沢さんよりは舛添さんの方がそういうセンスはありそうだ」と、新厚労相に期待していた。

(2007年8月30日06時03分 スポーツ報知)

近い将来、そういう根無し草の生活を送ることになる人間の数が、新たに5400人の百倍ぐらいの規模で急増することになる予測がついている。

希望格差社会 「負け組」の絶望感が日本を引き裂く
希望格差社会 「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

ワーキングプア いくら働いても報われない時代が来る
ワーキングプア いくら働いても報われない時代が来る

上記の本などで指摘されているのだが、その予備軍と呼べるような存在が数百万人単位でいるのだ。俗にパラサイト・シングルと呼ばれている層である。
正社員で就職できず、収入がワーキング・プアの水準でも、親の経済力に頼れる人間は貧困の罠にはまるリスクを取りあえずは回避できる。
しかし、その先、親が退職して年金生活に入ったり、世帯全体の貯蓄が底を尽く頃、本人が正社員で就職できていなければ、こういう問題が表面化する。
当然、住まいが持ち家じゃな世帯、持ち家でも維持コストが高い世帯、親の金融資産や年金受給額などが低いほど、リスクに陥る確率が高いのだ。
今の日本に1千万人以上いる親元同居生活者の何割が非正規雇用・無職なのかは分からないけれど、近い未来、かなり少なく見積もっても、50万人ぐらいは、新にそういうリスクが現実化するだろう。

それに加えて、今の日本は人口減少期に突入しているものの、世帯数の増加はあと10年近くは続くのだ。
国立社会保障・人口問題研究所が公表している調査結果によれば、核家族や単身者の世帯の増加が著しいことの予測がついているというのだ。
それは何を意味するかというと、需要増は家賃相場を高くすることに違いないのだから、やっぱり、住所不定者が増える一因に発展するわけだ。

行政は対策として、就労と住まい探しの支援のために予算を組むのかも知れないが、今の漫画喫茶難民の何割かをそういう形で助けたところで、グローバル化の波によって、企業が海外の安価な労働力を求める動きは止まらなければ、職と住まいを失う人の数は後から後から増えてくるだろうから、「焼け石に水」って気がする。

それよりも国民の生活コストの負担を軽くする対策を根本からやり直さないと、こういう困窮が極まってしまう人が急増していく社会現象の歯止めにならないだろう。

例えば、地方はクルマが無いと生活できないような地域は、ガソリン価格の高騰で生活を圧迫されて困っている人が多いだろ。
目先の対策として、ガソリン税を取るのは止めたらどうなのって思うし、長い目で見て、道路特定財源なんかで余計な道路を作る銭があるなら、クルマが無くても生活が成り立つようにインフラを再構築していかなくてはならないんじゃなかろうか。

熊本市で、どこかのプロ市民が「社会復帰に必要なんだから、生活保護を受給している世帯にマイカーの保有を認めろ!」なんて要求をしているらしいが、自動車会社の利益のために、クルマが無ければ、生活が成り立たないような社会の構造の方が問題ありだろう。

また、郵政の民営化で過疎地は利便性が悪くなって、地方切捨てだなんて批判もあるが、どのみち、高齢化・人口減に向かっていく社会なんだから、郵便に限らず、国民が広い国土にバラバラに居住していると、同じ税の徴収額では今の行政サービスの水準を維持できなくなっていく可能性もあるわけだ。

要するに、郵便物が月に一度しか配達に来ないとか、水道料金が今の10倍に上がるような不便を強いられるのが嫌なら、ある程度、限られた地域の範囲にまとまって住まわざるを得なくなってくる。

日本列島再改造論とでも呼ぼうか。

でも、今の社会を根底から作り直すなんて、議員も役人も自己の権益保持しか頭に無いのだろうし、仮に政治的に合意に持っていったところで、コスト的に不可能に近いだろうな。

じゃあ、ネットカフェ難民が増えるのを少しでも抑える対策として、現実的な案は限られてくる。
『反社会学講座』のマッツァリーノが言っているとおり、パラサイト・シングルを奨励して、少なくとも人口減少が加速し始める10年後まで、世帯数の増加を抑えるしかない。
今の安倍内閣にできることは、アパの元谷みたいな右翼が提唱している「二世帯・三世代同居世帯を優遇する税制」の法制化をやることである。

今の貧困とか、格差の問題について、他にも色々と思うところはあるが、長くなるから、今日はこのくらいにしておく。
2007/09/01 08:00|格差社会、経済大国の貧困CM:0
 

今の日本が「大きな政府」になることの危険性 

昨日の記事の話の続きになるが、昨今はワーキングプアや貧困の問題が取り上げられることが多いが、「セーフティーネットが弱い」とか、行政の支援の弱さを指摘する声が多い。

選挙の直前、新聞に森永卓郎のいつもお説が載っていた。
「富裕層を優遇する税制改革とか、福祉の切捨てで、アメリカ型の社会にするから、いけないのだ。税金は高くても、欧州大陸の国のように、高福祉社会の方が国民は幸せなのでは」などというお説である。

少子高齢化の問題でも、出生率を上げる対策として、フランスやスウェーデンの福祉政策を手本にしようっていう論説があるが、どうなんだろう?

今の日本人の意識で、そういう国家を作り直すとしたら、ある種の危険が潜んでいるような気がする。

単に増税で景気に悪影響があるとか、官の権限が強くなって、経済が非効率になるとか、政治の腐敗がもっと酷くなるとか、そういう次元の懸念ではない。

この話は前も少し触れたかも知れないが、「大きな政府」の国は優性思想に走り易いという危険があるのだ。

去年、『下流社会』(光文社、三浦展著)という、「格差」をテーマにした新書がベストセラーになっていたが、それの最後の章にこんなことが書かれていた。
「生まれ育った家庭環境とかで、教育を受ける機会に差が生じて、格差が世代で固定するのは良くないから、機会均等の制度が必要だ。でも、そういう社会になると、個々人の能力の低さを無気力な性格の原因を遺伝子に求める発想が起こり易くなり、優性思想に繋がる」などという内容だ。

つまり、貧しい家庭に産まれても、教育を受ける機会の差別が無い国とは、高福祉で税金が高くなる国だろう。

高給取りの納税者は税金が高いと、税金をろくに納めないくせに、福祉は多く消費する他人のために所得を配分されることに不満を抱き易い。
現実問題、あまり税を納められない人間が多くなれば、福祉国家なんて成り立たなくなる。
だから、高福祉を謳っている筈のスウェーデンで、心身の障害のある人間とかが強制的に不妊手術を受けさせられるような出来事があったわけだろう。

優性思想と言えば、ナチス・ドイツを連想するけれど、同じことだ。

一昨日、新風っていう政党のことに少し触れたが、この前の選挙で、この政党から立候補した瀬戸っていう人物のブログ(極右評論)の『ナチスに学べ少子化対策!』の記事に、ナチスが行った産児促進政策の内容が紹介されている。

第一次世界大戦後のドイツは出生率が落ち込んでいて、政権を取った民族労働党も民族の危機だと認識していた。
ナチスは出生率を過去の水準に上げるため、何をやったかというと、女性の社会進出を抑制して、専業主婦を増やす対策と一緒に、優性思想を用いたのだ。

この人の観点では、その時代のドイツの優性学は飽く迄、ドイツ人の民族感情を高揚させて、国民一人一人に次世代を産み育てる自覚を促すためのプロパガンダで、決して特定の民族を排斥する意図ではなかったという認識だそうだ。

だけれど、百歩譲って、それが真実だったとしても、俺が認め難いと考えていることは、当時のナチスは、同性愛者の行為は民族の滅亡に繋がるという認識を示して、これを取締りの対象にしたことである。

失業対策の観点で、女性を家庭に専念させるという発想についてはある程度は賛同できるが、同性愛の禁止は結構ヤバいと思う。
これが無ければ、そうじゃなかったかも知れないが、多分、俺は今後も国政選挙があっても、ここの政党に投票するという選択肢は考えないだろうな。


http://allabout.co.jp/finance/ikujimoney/closeup/CU20050425B/index.htm

下記は、上のリンク先のページの記事に対する感想のコメントのひとつだけれど、「軟弱な遺伝子を処理しながら、いかに日本を維持するか、」の件は、これも結構、怖い内容だ。

ニートが増えてなげかわしい、これは確かにそうだ。
でも、日本の経済力が衰え、自分の生活を守る事もままならない、という状況では必発とも言える。

今まで日本は運が良かった。島国なので、他国の侵略もあまり受けず、第2次大戦ではひどい目にあったが、2つの強国の間でのらりくらりと独立を保ち、近隣の国々の力もさほど強く無かった。
しかし、これからは違う。韓国中国の台頭はめざましい。国家の侵略は免れても、経済的侵略はどんどん進むだろう。

中国人にはタフで生き馬の目を抜くような人が多いのはなぜか?
それはおそらく日本よりはるかに過酷な歴史の中で、ひよわな者、悲観的な者が遺伝子レベルで淘汰されたからだと思う。
日本にもついに淘汰の時が来たのではないだろうか。
ニートは親がいる間は生きていけるが、いずれ結婚もできず、子供も残せず野たれ死にする。

これから50ー100年の間に、生き残るのに不向きな人たちがニートになって死滅していくのだと思う。
死滅する人があまりにも多いと、日本は沈没するのだろう。

軟弱な遺伝子を処理しながらいかに日本を維持するか、ニートを救う事よりそっちを重要視すべきと思う。

この人は生物学を曲解していると思うが、今でもこんなことを本気で考えている人間が少なからずいるなら、「大きな政府」は危険だと思う。

日本人の殆どが、社民党の政治家や森永卓郎や斉藤貴男や雨宮処凛みたいな物の考え方の人間なら、大丈夫なのかも知れないが、そうじゃない人が多い中、格差是正のための福祉を拡充したら、それに付随して、何が始まるか分からないぜ。

だから、敗戦でドイツをお手本にした憲法を破棄して、米英の自由主義の色の濃い憲法を作ったのも道理なのだろう。

ここで何となく思ったことなんだけれど、欧州諸国がナチスのような失敗を犯しても、大きな政府を維持しているのは、宗教上の要因で喜捨の慣習が根付いているから、そういう思想にある程度の歯止めが掛かるからなんじゃなかろうか。

逆に言うと、日本はイスラム教徒やキリスト教徒の社会と比べて、そういう慣習が薄いから、金持ちは自分の納める税金が福祉に使われることを嫌がる傾向が強くて、アメリカ以上に、上流に優しく、下層に厳しい税制になっているのかも分からない。

今日は「大きな政府」の危険を指摘するようなことを書いた記事だけれど、このまま放置で良いとも思わない。
このままだと、いずれはナチズム政党が政権を取るか、オウムみたいな危ない宗教のテロや、共産主義みたいな思想の革命が起きて、国家は転覆するんじゃないかという予感がある。

今の日本の格差・貧困問題の対策の第一歩は、どうすれば、喜捨の慣習が根付くのかということについて、考えることなのかも知れないな。
2007/08/14 18:00|格差社会、経済大国の貧困CM:0
 

日本の経済右派の蒙昧 

ここ最近、昨日の記事もだけれど、最低賃金について、経済右派の「最低賃金を上げれば、人を雇う会社が減って、失業者が増えるから良くない」みたいな意見は稚拙な詭弁だという意見を書いてきたが、今の日本で、こういう思想の持ち主の井の中の蛙ぶりには、呆れてくる。

大企業を減税で優遇して、その分を消費税などを上げれば、税収が上がって、景気も良くなるだなんて言っているが、それは先細りの一途に違いない。

  今年度交付税14兆2903億、不交付団体は188に増加

総務省は31日、2007年度普通交付税の各自治体への交付額を決定した。

 交付税の配分を受けなくても財政運営ができる不交付団体は188(2都県、186市町村)で、06年度より17増えた。

 景気回復に伴う税収増により、埼玉県上尾市、静岡県三島市など22市町が新たに不交付団体になった一方、神奈川県葉山町、兵庫県芦屋市など5市町村が、不交付団体から交付団体に転じた。市町村民税の税率が07年度から一律6%に平準化されたため、所得水準が高く、高い税率が適用されていた住民の多い自治体は税収減となることなどによる。都道府県の不交付団体は東京と愛知で、06年度と同じだった。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070731ia01.htm

こんなニュースを拾ったが、低所得者層の負担を増やして、富裕層を優遇するようにした税制の改革を象徴している話だ。
「富裕層や大企業を優遇すれば、結果的に税収が上がるのだ」などという話が本当なら、不交付団体の芦屋や葉山が交付団体に転落なんて、矛盾と言うより他は無い。そんな改革なら、進める価値なんか無いだろ。

上で「井の中の蛙」と皮肉を書いたが、そういう政策が全く上手くいっている国の実例があったら、聞いてみたいもんだ。

これは、そこまで経済思想は右じゃなくても、保守層全体に言えるかも知れんが、「ソ連が崩壊して、マルクスが死んだ」なんていう思い込んでいると、物事や歴史の趨勢を大きく見誤るぞ。

当のロシアなんか、共産主義を止めて、市場経済を導入したら、全く上手くいかなかったから、5年もしないうちに選挙で共産党が一番になってしまった。
プーチンが大統領になったら、過去の共産主義一党独裁国家に戻ったようなものだ。ソ連解体後、殆ど税金を納めてこなかった企業を強引に国有化して、そこから税を多く徴収することで財政を再建して、滅亡寸前の国家を新興成長国の一翼に成り上がらせているではないか。

インド、ブラジル、ベトナム、俗に新興成長国って呼ばれている国の大半は皆、社会主義の国ではないか。

とにかく、今の日本の経済的に右寄りの思想の持ち主の多くは、こういう現実を見ていないか、甘く見ているような感じがする。

ロシアや中国などの共産国をしきりに礼賛していたマルキストの青木雄二は、米帝に圧力を掛けられて、進められようとしていた郵政民営化の胡散臭さを指摘しながら、日本が共産主義に脱皮するためには、一度、アメリカのように、市場経済が徹底した社会を経過する必要があるというようなことを言っていた。

消費税ひとつ取り上げたって、表面上の税率は欧米よりも低いけれど、それらの諸国と違って、低所得層に全く配慮された内容ではないだろ。大企業や富裕層を優遇の仕組みなのだ。
貧困率が最も高い国になる時も遠くないかも知れない。

そうなれば、マルキストの漫画家が予言していた通り、日本は世界で最も共産主義の革命が起こる可能性の高い社会になる。

こんなことを書いたら、失笑を買うことは承知だが、少なくとも、共産主義の悪い面をよく知っている我々が生きている間は、そんなことは無いとは思う。

だけれど、何も妖怪は「共産主義」という名前じゃなくてもいいんだ。

もし、オウム真理教の教祖の麻原が世に出てくるのが、20年ぐらい遅れていたならば、社会や政治に不満や憎悪を持っている奴がもっと増えていくだろうから、あの教団の国家転覆計画は成功しているかも知れないのだ。

きっと、これから、世界経済共同体の又吉イエスなんかもその一例だが、「市場原理経済」に対するアンチテーゼ思想が後から後から生まれてくる。
その中から、古代のキリスト教や産業革命期のマルクス思想みたいに、世界規模の宗教に肥大化する思想だって出てくるに違いない。
世界の歴史はこれの繰り返しだったし、これからもそうだと思うし、将来、日本という国は、それで国家転覆の憂き目を見る可能性がある。

だから、そういう危険があるから、市場化とか、福祉の切捨てとか、そういう政策は程々にしなければならないって、警告を発している識者だっているし、欧米諸国はそれを分かっているから、日本よりも福祉・所得再配分機能が進んでいるに違いないが、日本の経済右派の多くは聞く耳を持っちゃいない。

しかし、PCは左派リベラルで、こんな意見を書いている俺だって、実は「大きな政府」に手放しで賛成もできないのだ。

近い将来の日本が辿る道だが、最も可能性が大きいのは、新風のような極右政党の躍進のような気がする。

何で、今の日本人は「大きな政府」は駄目なのか?
その理由は、「新風という政党の何を恐れているのか?」ということの説明と併せて、次回の記事で書こうと思う。
2007/08/13 18:00|格差社会、経済大国の貧困CM:0
 

自棄っぱち心理の凶悪犯罪、不条理な世界、その2 

この間、殺された長崎市の市長の伊藤一長は、『若者の人間力を高めるための国民会議』の委員を務めていた。
平たく言えば、ニートやフリーターが急増している社会問題について、対策を話し合うこと等を標榜しているシンポジウムのようなものだが、俺は基本的にこれを批判的に見ている。
経団連や経済同友会といった経済団体の会長とか、連合の会長とか……、大体、この運動に名を連ねている面子は、自分たちの保身のために、ここ十数年、現に膨大な数のニートやフリーターを排出してきた世代を切り捨てることをやってきた当の戦犯に他ならないからな。
「格差社会」をテーマにした著書のベストセラーでも名が知られている学者の山田昌弘も末席に名を連ねているが、要するに、この人が著書でも懸念を示したこと(『希望格差社会』の128ページ辺り)――「格差社会を放置しておくと、自暴自棄心理型の犯罪が増える恐れがある」から、何を対策すればいいかっていう話し合いなどをやっているのだろう。

日経平均先物のトレードをテーマにした『デイトレード大学』(岡本治郎著、パンローリング)という本の巻末の方にも同じようなことが書かれていた。
この本の著者が言うには、世界中の大抵の国でハッキリしている傾向らしいが、凶悪犯罪は経済的に恵まれない社会のマイノリティ、貧しい家庭に生まれ育った若年男子に集中しているんだそうだ。
近年の日本社会で、大学を出ても就職先が無い若者が増えている現象については、その原因は激変している経済構造に日本のシステム、特に教育が対応し切れていないことを指摘している。つまり、若い世代に「どうやれば、経済力を身につけられるか」という努力の方向をハッキリと提示できなくなっていることが問題だ、という論法だ(だから、前途ある若者のために、新しい選択肢・可能性のひとつとして、株価指数先物のトレーディングという手段を紹介したかったというようなことを謳っている)。

でも、俺が批判的に感じていることのひとつだが、件のシンポはどちらかというと、そういう問題の原因を「教育」に帰させる論調が支配的なのだ。
伊藤一長は1945年生まれ、団塊世代の人だけれど、なんだか、この集まりは、こういう世代の連中の老後の年金と理想視してきた社会像を維持させるため、「人間力」などというワケの分からない言葉遊びで、若い世代を勤労や結婚に押し込めようとする小賢しい運動にしか見えないんだけれど、「今更、皆が一緒に裕福になれる総中流の時代なんて無いのに、何を言っているのかな?」と思う。

かといって、デイトレーダーになることを勧めるだなんていう発想も愚の骨頂だろう。
そういえば、米国では何年か前、デイトレードで人生が破綻した奴が自暴自棄になって、証券会社で銃を乱射する事件が起こったよな。

山田の『希望格差社会』も、岡本の『デイトレード大学』も、「努力すれば、報われる」という実感を若い世代に持たせるべきだっていう論調だけれど、そんなものは幻想なのだ。
結局、いずれの発想も漏れの多いシステムしか構築できないし、世界の不条理は隠し切れないほど多過ぎる。

この世界は不条理だらけ。
バージニア工科大学で30人以上の若者が、キ○ガイのコーリャンに命を奪われたことは明らかにそうだし、北朝鮮が核を放棄しないで、米帝から金融制裁の解除を勝ち取ってしまったこともそうだし、親に虐待されている子供もそうだろうし、団塊ジュニア以降の世代が社会に出る頃、不況とデタラメな規制緩和のせいで、就職口が狭く限られてしまって、未だにあぶれている人間が数百万人単位でいることもそうだし。

否、今の世の中で、労働や勉強に対する意欲を喪失している青少年がホントに急増しているんだとすれば、とっくの昔に、大人・年輩者の言葉の欺瞞性や不条理があまりに多いことに気付いている奴が多いってことかも知れない。

どの道、日米両国、恒産を持たない・持てない人間が増えていって、社会の中で少なからぬ層に膨れ上がっていくってことは変わらんだろう。

正しい努力をした奴が報われるとか、核を持つこと・作ることは悪いとか、そういうありきたりの善悪二元論では割り切れないことが多いってことが目立つようになったのは、昔と比べて、経済の流動化が促進されたりとか、国際情勢が難しい環境の時代だからなんだろうな。

伊藤一長っていう人物は一貫して反核論者で、その死を惜しんでいる人が多いみたいだ。
暴論を書いてしまうけれど、死んだ人のことを悪く言うと感じが悪いんだろうが、冷戦期なら兎も角、昨今の日本と周辺諸国の関係・情勢を考えると、端から核の保有を断固否定するような発言はいかがなものかと思っていた。
個人として、長崎という土地に対する愛着から、核兵器の存在に対する憎悪を抱く感情は 分からなくもないけれど、こういう政治家の存在は国益の毀損になっていた面もあったと思う。
この政治家は保守寄りだけれど、多くの左翼と同様、みっともない発言をしてきた人間にしか見えなかった。
米国の核の傘の下で経済活動に専念できたから、経済的な繁栄を達成させることができた時代を丸々、生きてきた分際で、その核保有を批判って何だよ?

それに「若者の人間力云々」などと標榜している下らないシンポジウムの委員になっていたけれど、自分たちの保身のために若い世代の雇用を犠牲にしておいて、その要因を個人のモラルや教育の腐敗などに置き換えて、ごまかそうとしている団塊世代の利益の代弁者にしか見えなかった。

ハッキリ言って、社会に出る時期が不況と重なったせいで、まともな働き口に就職することができず、恒産を築けない奴らの中には、「日本なんて国は、もう一度、戦争で焼け野原になればいい」「北から『労働』ミサイルが飛んでくればいい」って思っている奴が少なからずいるだろう。
派遣会社のバイト以外に働き口が見つからなくて、将来に何の望みも無い奴は、自分の人生も日本の国も、どうなったって構わないのだ。

世の中の人間は、恒産を持っている人の層と持っていない人の層にも分かれるけれど、ひとつの社会・国家で恒産の無い人の割合が一定に達したとき、それまでの政治体制を破壊するような大きな政変が起こるのだと思う。
米国なんか、あんなに銃が用意に手に入る社会だから、尚更のことだろう。マルクス主義者の漫画家が予言したとおり、第二の社会主義の波に飲み込まれそうだし、日本も遅れて、それに続くような気がする。

北朝鮮という国のことだってそうだ。
もう、太陽政策の不毛は言うに及ばず、米帝の圧力でも膝を屈しない以上、あの国は国民の誰かが古代の中国――秦代の陳勝・呉広みたいに自暴自棄で立ち上がって、将軍を殺さない限り、その圧政から解放されることは無いだろう。

金融が発達して、世界で最も経済が繁栄している合衆国が、社会主義の貧しい小国に対して、何であんなに外交上の譲歩をせざるを得なかったのだ?
よく考えてみろ。
2007/04/20 20:00|格差社会、経済大国の貧困CM:6
 
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