駄猫の時事放談

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グルジアの大統領の短慮、日本の嫌中ブロガーの浅慮 

一部では開催すら危ぶまれていたが、幾らか混乱や珍事が発生しながらも、北京オリンピックは現に進行しているわけだ。

日本人の活躍や口パク少女だとか、そういうニュースは他で幾らでも取り上げられているだろうから、こちらでは特に何も言及しない。

中国はこの祭典の開催に国家の威信を賭けているわけだが、当然、敵対している勢力はそれを失墜させるべく、開催前からテロ行為を繰り返してきたことが報道されている。

前も同じようなことを書いたんだけれど、こういう問題を取り上げているブログ――まぁ、中国や朝鮮のような国を敵視している保守系のブログだな――の幾つかを見て、疑問に感じていることがある。
そういう思想属性のブロガーの全てがそうとは決め付けてはいけないが、もしかすると、「中国がムカつくだけというか、そういう嫌悪する対象を見つけて、憂さ晴らしのようなことがしたいだけで、この人は日本や世界の平和とかを真に願って、こういう問題をテーマにしたブログを書いているわけじゃないんだろうなぁ」と感じるようなものが少なくないのだ。
「中国を崩壊させるため、ウイグルが独立を勝ち取るため、この際、手段を選んでいられない。だから、イスラムのテロはしかたがない。」というようなことを書いているところもあった。
俺はそういうことを言っている人の神経を疑うし、呆れているのだ。それで関係も罪も無い人間が爆弾とかの犠牲になっているというのに……。
もし、単なる憂さ晴らしで中国叩きをしているのでなければ、浅慮という他はないだろう。

兎に角、オリンピックを逆手にとって、中国を叩こうっていう不穏な空気があるわけだが、テロの大義名分に祭り上げられた当のウイグル自治区とか、中国のオリンピックの施設がある地域の住人にとってはえらい迷惑だろう。

ロシア軍が駐留している南オセチア自治区に侵攻したグルジアの大統領の采配も、オリンピックを逆手にとった浅慮だった。
ロシアとグルジアを比較したら、明らかに国力は雲泥の差だ。それでも事を起こしたのは、グルジアの大統領はそれなりに勝算があったからだろう。
まず、南オセチアはロシア兵が駐留しているが、法的にはれっきとしたグルジア領だから、自分から軍を動かしても「侵略」にならないっていうのもあるし、それに反撃を受ければ、オリンピックの最中に覇権主義の大国ロシアが弱小国の国土を爆撃する映像が流れるんだろうから、国際世論はロシアに対して、侵略者などと否定的なイメージが改めて濃くなることも想定の範囲内だった。
ここ数年、外交的に接近してきた米帝の後ろ盾も期待していたに違いない。
それで、あまり戦火が拡大しないうちに友好国の米帝や西欧諸国に仲に入ってもらって、何か大きな譲歩をロシアから引き出す計算だったのだろうか。

ところが、米帝や西側諸国の態度は口先だけだし、ロシアは何の妥協案を提示してくる気配も無く、苛烈な反撃を展開してくるし、あっという間に黒海の制海権も奪われ、国中が火の海になったのを見て、慌てて旗を下ろしたといったところだろう。

しかし、日本や西側ではロシアが悪者だけれど、どうだろう?

過去、ロシアがどんな悪いことをやってきたか少しは分かっているが、俺がロシア人だったら、「ふざけるな」って思うよ。

グルジアっていう国は古代ローマの時代、コンスタンティヌス大帝がキリスト教を帝国領の国教にした頃からキリスト教圏に入っていたが、その後はゾロアスター教のペルシアに征服され、それからは古代ローマの後継国家のビザンツ帝国に再征服されたり、かと思ったら、すぐにイスラム教王朝に征服され、その次はモンゴル帝国にも攻め込まれたし、チンギス=ハンの子孫を自称していたティムール帝にも征服されたし、その後はオスマン=トルコ、それが衰退すると帝政ロシアの支配下に入る。
およそ、有史以来の世界的な大帝国の殆どの被支配を体験した歴史じゃないか。当然、宗教や民族の分布も複雑だろう。

南オセチア自治州の独立問題は、コソボと同じような内容なのだと思う。
オセチア人はソ連が崩壊した時からロシアの属国になることを望んでいたそうだ。ましてや、近年のロシアは石油で好景気を謳歌しているから、ロシアに接近して、その繁栄の恩恵を受けたいという思惑もあるだろう。
それで、親米でロシアと険悪なグルジアの統治を嫌がっているわけだ。
それをグルジアは力で押さえつけようとしている対立の構造になっている。セルビアがコソボのアルバニア人に対してやったことと同じように。

コソボの問題ではロシアはセルビアの言い分を支持していたが、米帝や北大西洋条約機構はセルビアに非があると断じて、それを武力で屈服させ、現在のコソボの独立承認に至っている。
今、ロシアがグルジアに対してやっていることは、意趣返しというか、西側諸国がコソボ問題でセルビアに下した裁定と何も変わらないだろう。
「コソボの独立を認めるなら、南オセチアも認めなければ筋が通らないだろう!?」ってことだ。
もし、俺がロシア人だったら、自分の国ばかりが国際社会の悪に仕立て上げられていることに腹が立っているかも知れない。

いずれにしろ、ロシアにとっては、黒海の沿岸は石油利権とか、安全保障上のことで重要な地域だ。当然、ロシアを敵視している国はここからロシアの影響力を排除したい。
だから、西側諸国はロシアに従属を強いられている民族・国の中の過激分子を煽って、裏ではテロとかを支援したりもするだろう。
きっと、2014年にソチで開催される冬季オリンピックは、開催の前後は今の中国みたいに物々しくなってしまうんだろう。

グルジアの大統領――サーカシビリっていったっけ?――も何者かにそそのかされたんじゃなかろうか。
その浅慮のツケは、多くの国民の流血で高く支払わされている破目だ。
そうじゃなくても、現状、ロシアとの貿易ができなくなれば、経済は成り立たないかも知れない。

そろそろ記事を結ぶ。
ロシアや中国といった旧共産圏の覇権主義の国がムカつくからといって、その支配に屈している民族に向かって、安易に独立を勧めて抵抗運動を煽るのは、当の住民のためにならないんじゃないかということだ。

コソボは元々、セルビア国内のどの州よりも経済的に遅れている地域だった。それでもセルビアが分離することを認めなかったのは、宗教上の理由があるからだ。
実際にセルビアから分離したけれど、経済的にやっていかれるのかどうか、前途は多難だろう。独立を承認している国が世界の半分にも満たないのは、そういうこともあるのではないかと思う。
ウイグルも現状、中国からの独立が実現したら、経済的に独立した国家を運営できず、国民の生活は却って苦しくなるおそれもあるだろう。
ウイグルの独立を叫んでいる人々はその辺をどう考えているのか?

そりゃ、非人道的な行為は許されないこと、強く批難されてしかるべきだ。
しかし、問題は中国の政府の非を責める資格を持っている国が地球上に見当たらないんじゃないかということだ。
前も書いたけれど、チベットだって中国に侵略される前は、支配層(王侯、僧職)がカーストの下位の民衆に対してやったことは、かなり酷かったそうだよ。

中国やロシアの蛮行を批難している論者の大半って、中国やロシアが嫌いなだけで、暴力そのものを憎んでいるとか、本当の意味での人類の幸福や平和などを願っているわけじゃないんだろうな。
だから、平気で浅慮を垂れ流せるんだろうな。
2008/08/17 23:03|国際問題、海外のニュースCM:0
 

チベット問題、オリンピックの本来の意義を問い直す 

それにしても、誰もきな臭いものを感じないのか?

いくら中国がアレでもオリンピック開催を控えた今、わざわざ国際社会の反感を買うような真似をするなんて、おかしいと思わないか?

中国政府は、ダライ=ラマはテロリストで、インドをそれを匿っているなどと批判しているらしいが、同時多発テロの時の米帝にとってのアフガニスタンみたいな感じだ。

米帝といえば、サブプライムの破綻で、国民の放漫な消費を煽ることで成り立ってきた景気対策が失速なのである。
双子の赤字で破綻寸前の経済の建て直しというか、衰運の覇権国家の悪足掻きとして、予想されることは、輸出産業の振興しかないと言われている。
チベット問題が日本のメディアで大きく取り上げられた頃、米帝ドルの相場が急激な暴落に見舞われていたが、米帝の為政者がそういう方針なら、輸出産業(軍需産業)にとっては追い風だろう。
案外、そういう意図によって、糸を引かれて、今度のチベットの騒乱が起こっているのかも分からない。

俺の単純な憶測に過ぎないが、本来、こういう問題の抑止力になり、調停機能を発揮すべきUNは役立たずだろう。
他ならぬ中国が常任理事国だし、ロシアも完全に中国を支持の立場だからな。こんな覇権主義の国が牛耳っているのだ。だから、当の加害者の非を問う採決が成立するわけが無いし。
こんな所に真面目に多額の分担金を納めるなんて、ヤンキーが弱い者イジメをするための木刀を自腹で買いに行かされるパシリみたいなものだぜ。

今日の日本はチベットのような深刻な状況ではないが、米帝には軍事基地とか、いずれは紙屑になる米国債とか、役に立つかどうか分からないミサイル防衛システムなどを押し売られたり、色々と理不尽なことを押し付けられているわけだろ。
世界中の中小の規模の国力の国は、多かれ少なかれ、その庇護と引き換えに、大国の理不尽な要求に従わされ、振り回されているのが現状だろう。

中小の規模の国には、大国の横暴を突っぱねる手段は無いのか?

オリンピックの本来の意義を問い直すべきだろう。

平和の祭典などという別名があるが、その起源になったオリンピュアの祭典って、世界中の民族・宗教・人種を問わず、恒久の平和を祈ったものでもなかった。
普段は都市国家間で利害関係があって対立し、いがみあってはいるが、ある種の同族意識がある古代のギリシア人同士が一定期間の間、矛を収めて一緒に催す祭典だった。
きっと、当時の大国アケメネス朝ペルシアの侵略を撃退するために団結できた要因として、そういう同族意識があったことが大きかったに違いない。

俺が何を言いたいのか、もう分かると思うが、中国にしろ、米帝にしろ、大きな国の庇護に頼ると碌なことが無いだろ。
覇権国家の横暴に抗するには、ペルシアを敗退させた古代のギリシアの都市国家群のように、いずれは世界中の中小の国が団結する以外に道はない。
ロシアの覇権主義に危機感を募らせる北欧や東欧の諸国、米帝のグローバリズムに反抗する中南米とか、中共の脅威に晒されている東亜細亜の諸国……。

日本はこれまで兵器を輸出した履歴は無いのだし、ある意味、それらの国を糾合して、役立たずの国連に代わる新しい調停機構を創設し、指導的立場に立つ資格がある国なんじゃないのかって気もしないでもない。

近い将来、日本は歴史的な黄金時代を迎え、世界に冠たる大国になるなどという話をオカルトな観点から予言している者がいるが、それがホントなら、ペルシア戦争後のアテナイのような繁栄を謳歌できる可能性があるわけだ。

しかし、今の日本は政界を見れば、米帝に国民の資産を端値で売り渡す外資族か、媚中野郎が大半だ。そんな気骨ある政治家は多分、見当たらない。
前にも書いたが、多分、今は江戸時代に喩えれば、理不尽なことを押し付けられても、何とか幕府と対立することは避けようと努める薩摩藩みたいな状況なのだ。
それは今、沖縄の基地問題とか郵政民営化の議論などで、少しずつ国民に察知されつつあるが。

将来、暴虐を極めた覇権国家に引導を渡す世界規模の維新が起こるなら、日本は立ち上がった諸国を率いる雄国になる可能性が一番濃いんだぜ。
2008/05/06 09:20|国際問題、海外のニュースCM:1
 

チベット問題、右と左の偽善性の酷似 

最近、インターネットでチベット問題のことを取り上げているページを読むと、その大半は中国という悪辣な侵略国家が平和に慎ましく暮らしていたチベット人の国を侵略しているように書いている。
やっぱり、主に右の思想で、旧ソ連を筆頭に共産国を敵視している人や組織が。

誤解を招く書き出しになってしまったが、中国が悪いことをやっているのは、100%悪いっていうことは俺も認識しているのだ。

ただ、ここで指摘したいことは、そうした意見は歴史の一面しか捉えていないと感じるし、そういう人の中にはある種の偽善性を感じているのだ。

まず、今の日本の国には、中共が侵略する前のチベットの社会はどんな状況だったか、よく知っている人はあまりいないんだろうか。
一言で説明すると、帝政末期のロシア、日本に併合される前の朝鮮半島と似たような状況だった。
王侯や僧などの特権階級の腐敗・横暴が過ぎて、民衆は家畜のような悲惨な生活を送っていて、国力は末期症状だった。

産経新聞などは、中共がチベット人の人権を犯していることを左翼の論客が見ない振りしていることを批判・皮肉っているが、中共に占領される前から、チベットの民衆には人権なんて無かった。

もしかすると、山奥のチベットの中でも教育を受けられる富裕階級の子弟とかの中には、西洋の啓蒙思想とか、革命思想に触れる機会のあった若者がいたかも知れない。
それで、腐敗した国をどうにか変えなければと当時の彼らなりに真剣に考えて、中には中国の力を頼って、旧来の封建政治を転覆させる工作を図っていた者がいたかも知れない。
ホントにいたとしたら、頼る相手を間違えてしまった悲惨な結果だがな。

日本のネット右翼は日韓併合について、左翼の自虐史観だけじゃなくて、他の歴史観も読めって主張を展開していますよね。
その当時の韓国は滅亡寸前の状況で、併合は韓国の方が望んだことだった。実際、それで韓国人の生活水準は向上した。だから、一方的に侵略者の烙印を押されるのは間違っていることだという主張だ。

自分の愛する国のことについて、そういう主張をするなら、他所の国のことだって、一面だけを捉えた歴史観を見るのは誤っていると感じる。

チベットのご近所にネパールっていう国があるが、7年前に親中派の国王が亡くなって、その王位継承者は前王の外交方針を変えた。米帝やインドとの友好関係を築く姿勢を取ったのだ。
中国はそれに腹を立てて、共産主義ゲリラを支援して、内乱状態になる。
それを日本の極右政党の新風が取り上げて、今はそのページが無くなっているけれど、当然、中国政府の悪行を糾弾していた。
それだけ読むと、確かに中国ばかりが、平和で純朴な国を一方的に混乱させている悪の国家に見える。
ところが、下記の日記の話も読むと、米帝やインドの後援を受けていた現国王もとんでもない暴君だということが察せられるではないか(結局、現在は混乱を治めるため、王権を大幅に制限されるようになったそうだが)。

http://www.enpitu.ne.jp/usr4/bin/day?id=41506&pg=20060501

俺はこれを併せて読んで、その一部が新風に合流しているが、昔の民社党のことを思い出した。チリの9.11クーデターのことな。民主的な選挙で誕生した社会主義の政権を米帝が武力で潰したことを支持した経緯だ。

要するに、右というか、そういう人達は、共産主義国家がムカつくだけで、人権・人道といった類のことなんて屁とも思っていないのだ。

右翼のことを批判することばかり書いてきたが、こういうのって、左側にも多い。

2〜3ヶ月くらい前、沖縄で中学生の少女が米兵に乱暴されかけて、一度は告訴したが、少女の非を問う意見も噴出する経緯があったりして、最後は本人が告訴を取り下げたというニュースがあったよな。
どちらかというと、右に傾斜している2チャンネラーの多くは、左翼団体の無神経さを罵倒していた。そのニュースについては、俺の概ね2チャンネラーの多数派に同意している。

要するに、左翼は米帝や資本主義がムカつくだけで、人権・人道といった類のことなんて屁とも思っていないのだ。

似ているっていうより、同質だろ?

特定の思想の持ち主、特定の政党などに所属する者の全てがそうだとは言ってはいけないが、要するに、憎しみの対象がイデオロギーや国家といった概念で、この世の理不尽なこと、暴力それ自体に向いているわけではない思考の持ち主が多いんだよ。

今のチベット問題について、中国の悪行を批判する意見がネットに溢れているわけだが、一見、ごく当たり前の同じような正論の多くを頭の中で反芻(はんすう)してると、以前からモヤモヤと感じていたが、言葉で表現できなかったことがようやくハッキリしたぜ。

今日の話を結ぶが、左右問わず、憎しみの対象が暴力それ自体に向いているわけではない思考の意見を読んで、自分も義憤を煽られることほど、馬鹿らしいことは無いって気がしてくるだろう。
だから、個人のブログでも、どこかの組織の見解でも、行間を気をつけて読むべきなんだろうな。その書き手の意図が暴力それ自体に対する義憤なのかどうか、良く見極めて、信用できる論客なのかどうか、判断力が読み手に必要だな。

そういう資質を持った人が少なければ少ないほど、社会・国家は間違った方向に暴走し易いのかも知れないな。
2008/05/05 07:54|国際問題、海外のニュースCM:0
 

チベット問題、中共の宗教弾圧 

さて、このブログでも何度かに分けて、最近のチベット問題を取り上げてみることにするか。

勿論、ブログの世界でも変わり者の俺がわざわざ取り上げるのは、どこでも展開されているような中共バッシングばかりをやるためではない。それらとは、ちょっと違ったことを書きたいから取り上げるのだ。
中国が酷いことをやっているのは、誰でも分かることで、そんなのは小学生が作文に書ける程度のことだ。

ご存知の通り、中国は共産党一党独裁で、共産主義思想は宗教の廃止を目指している思想だから、当然、支配下に置いたチベットの仏教は弾圧の対象になっている。寺院は焼き払われ、仏像は破壊され、僧は虐殺されるなどといった悪逆の限りが尽くされてきたのだ。

あのマルクス主義者の漫画家の中国礼賛は異様だったな。
「神なんかいない」ってことを発見した思想は素晴らしいし、それを国教に選択した中国やロシアは凄い国だ。そのうち、世界に冠たる大国になるのは間違いない。異様な礼賛振りだったな。
言わば、「神がいない」っていう信仰だな。
礼賛する者は異様に帰依するが、逆に目の敵にする者は激しい敵意を抱くのだ。

俺はどうして、この世界の歴史にそういう思想が誕生して、それがこんなに拡大したのかについて、少し考えてみたんだけれど。

それは我々のごく身近な不幸な出来事、理不尽なことに端を発するんじゃないかって気がしている。

例えば、山口母子殺害事件などの少年犯罪だ。
国家の少年法で守られているから、加害者に十分な裁き・罰を与えられないことに憤りを抱いている奴が多いことは、ネットを徘徊して、あちこちの意見を読み歩いていれば、よく分かるだろ。

あるブログだが、別の少年犯罪について、加害者の元少年たちが現在、平穏な暮らしを送ることが許されている現実について、「この世には神なんかいないんだ」という認識を示しているのを読んだ。

俺は今回の記事の内容を考えながら、この文句を思い出して、はたと思ったことがある。
この世界にはそういう理不尽なことが幾らでも転がっていて、どうにもならず、自分の内に抑圧するしかない怒りを抱いている人間は幾らでもいる。
もしかすると、「神がいない」とか言っている共産主義っていう妖怪は、そういう人々が抑圧した義憤の意識から生まれたモノかも知れないな。
2008/05/04 23:00|国際問題、海外のニュースCM:0
 

地雷という個別の問題よりも、考えなければいけないこと 

地雷の被害“出前教室” 「悲惨な現実知って」

 幼い子どもを含め世界で年間数1000人が死傷するという対人地雷。その残虐さや被害に苦しむ人々の姿を中高生らに伝えようと“出前教室”に取り組む女性がいる。現地を繰り返し訪れた体験を基に「悲惨な現実を知って」と訴えている。

 手や足を失ったカンボジアの男性がスクリーンに映し出された。「未来を奪われ自殺する被害者も増えています」。8月2日、奈良県生駒市の公民館。市立緑ケ丘中の生徒約400人を前に、講義するのは森田安里さん(25)。非政府組織(NGO)「ピースボート」の大阪事務所スタッフだ。

 地雷は世界の紛争地帯に数多く埋められ、住民らが誤って踏む被害が後を絶たない。森田さんはそうした現状を、資料と現地の映像で説明。最初は騒がしかった会場も次第に静まり返った。

 この日の授業は、火薬を抜いた本物の地雷を見せ、どう使われるかも解説した。3年の岩本恵里奈さん(15)は「同年代の子もひどい目に遭っていることを実感した。両親にも教えたい」と話した。

 「多くの人に興味を持ってほしい」と森田さん。大阪から電車で行ける範囲で“出前”の求めに応じるという。

http://www.chunichi.co.jp/s/chuspo/article/2007081101000020.html

現在、地雷による被害で死傷する人の数は、年間15,000〜20,000人なんだそうだ(ここのページには、25,000人と書かれているが)。
不謹慎に感じられてしまう書き方になるが、この数は多いと思うか?
俺は「想像していたよりも、少ないな」と感じたけれど。

「地雷」だけを取り上げるならば、平和で豊かだと思われている日本人の方が、地雷が埋まっている国の住人と比べても、理不尽なことで死傷する確率が低いわけではない。

交通事故とか、自殺とか、利益のことしか頭に無い経営者のずさんな安全衛生管理が災いした労災とか、総人口1億2千万人の日本の中で、何万人が犠牲になっている?
子供が犠牲になる殺人事件の加害者になるのは、実母が最も多いそうですよ。

数十億人の途上国の人間が地雷を踏む確率よりも、日本で普通に家庭があって、学校や会社に通っている日本人が、そういう罠にはまって死傷する確率の方が高いと思うけれどな。

「自殺は駄目だ。命は大切にしよう」だとか、「交通事故を減らしましょう」だとか、奇麗事の繰言は何遍も何遍もなのに、どうして、自殺や交通事故で死なずに後遺症を負った人間の大変な生活が取り上げられることが滅多に無いのだ?

大体、「地雷」だけを取り上げても、除去のための費用を賄う寄付を募っても、問題の根本的な解決にはならないだろ。
中世のヨーロッパで、ローマ・カトリック教会の教皇が「弩の使用」を禁ずる布告を教圏の諸国に出したけれど、それで、非戦闘員が犠牲になる戦争が無くなったのか?
特定の物を国際的に規制したって、別の物が発明されるだけだろう。

今だって、あちこちで武力紛争が起こっていて、地雷は外敵の侵攻を阻止することに効果が大きいから、使用・設置は止まらない。何故、紛争が起こっているかと言うと、途上国に武器を輸出している国の経済的な都合があるからだ。
ピースボートは国連の協議資格を持つNGOなどと標榜しているが、そういう紛争を抑止する目的で設立された筈の国連などという国際機関で、常任理事国になっている大国(米帝、ロシア、フランス、中共、英王国)が金儲けのために武器を売る算段ばかりをした上で自国の権力を行使しているんだから、戦争が無くなるわけないだろ。
現に、その中で、米露中は「対人地雷禁止条約」は批准していないから。

それに、「地雷」という兵器の性格は、日本の専守防衛の考え方に適っているっていう考え方だってある。侵略行為でなく、飽く迄、外敵の侵入を防ぐことだけに特化した武器だからだ。
だから、第二次世界大戦中、ソビエトの侵略を受けたフィンランドは今だって、地雷を保有しているし、「対人地雷禁止条約」にサインしていない。
ロシアha今だって覇権主義の危険な国なんだから、その隣国のフィンランドを含めて、地雷を持つ必要があるっていう国の考え方も知らずに、「地雷を持つことは悪い」だなんて批判もどうかと思う。

要するに、ピースボートはそういう話をして、寄付金を募っているわけだ。
ここは社民党所属の衆議院議員の辻元清美が立ち上げた組織だけれど、まさか、人の善意をネコババしているんじゃないだろうな?

しかし、こんなこと(って言ってはいけないが)よりも、他所の国の紛争や貧困よりも、今の日本の社会の問題の解決を優先しろよ、って思う。
要するに、辻本清美っていう議員は、「自分は議員だけれど、日本人の生命や財産を守るために活動するつもりはない」だなんて言っていたくらいだから、ピースボートという組織の体質もそれに近いような気がするが、どうかと思う。

俺が今日の記事の前半で、日本の社会の交通事故だとか、自殺だとか、労災だとか、家庭内の子供の虐待だとか、そういうことを取り上げたのは何故だと思う?

福者マザー・テレサが日本を訪問した時、そういうことを発言していたではないか。
「外国の貧困や紛争で犠牲になっている人間の心配をする前に、自分の家族を大事にしろ、もっと身近な所で困っている人間を助けろ」って。

BRICsに精通しているエコノミストが、日本国内のワーキングプアの問題をテーマにした本も書いているのは、どうしてなのだ?
曽野綾子やワタミの社長みたいな奴の視点で言えば、インドの方がよっぽど格差社会なんだから、日本の貧困問題なんて、屁でもない筈なのに。

武器を途上国に売って、金儲けしている国が牛耳っている限り、国連に平和を託すなんて馬鹿げている。
こんなところに会費を納めるのはさっさと止めて、ペルシア湾の機雷の除去の実績があって、武器を輸出していない日本は、今の問題だらけの国連に代わる国際機関の立ち上げを提唱することだよ。

国内では国民の生活上の問題への取り組み、対外的には国連に代わる国際機関の立ち上げを提案する。
それが、地雷の問題を含めて、世界中の戦争の犠牲者を減らす対策の第一歩なんじゃないかって気がする。
2007/08/15 18:00|国際問題、海外のニュースCM:0
 
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