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目に見えないコスト 

20代前半で国民年金保険料を払ってるのはたったの26%!

 これは社会保険庁が9日、発表した2006年度の年齢層別の保険料実質納付率だ。今回の調査は、これまで算出の対象から除外されていた納付を免除されている失業者や猶予されている学生も含めて納付率を出した。

 それによると20〜24歳が26.9%で最低。25〜29歳が40.4%と2番目に低かった。全年齢層での納付率は49%。国民年金制度の崩壊が加速していることを浮き彫りにした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071013-00000012-gen-ent

俺は自分のこのブログで、「基礎年金は全部税で賄うべきだ。それができないならば、もう、国が運営する年金制度なんて廃止した方が良いのだ」っていう趣旨の意見を今までに何度か述べてきた。

保険料の徴収が上手くいかないから、国庫負担の割合が二分の一に引き上げられることが目前になっているが、この調子では四分の三とか、三分の二への引き上げも通り越して、全部税で負担する制度に移行するのは、時間の問題だろうということは、論を待たない。


それでも、基礎部分の全額税方式に反対している声が未だに少なくない。そういう意見の人たちは税方式の問題点とか、モラルの低下の懸念とかを反対の理由に挙げている。

全額税方式化に移行すると、現行の制度で受給資格を持っていない、或いは今後、受給できる見通しの無い未納者に、今まで真面目に納付してきた奴の保険料を支給することになる。だから、モラルが無くなるし、まともに納付している人間にとっては、損の計算になるということだ。

そういう言い分は分からなくもないが、「目に見えないコスト」についても想像した方が良いかも知れない。

これから何らかの法改正をやって、今の制度で未納し続けている被保険者に受給資格を与えるだなんてことになったら、筋が通っていないということは当たり前な話だ。
だけれど、その道理を守ったところで、それ以外のことで、同じくらいの重さの負担が社会全体に生じることは避けられないのだ。

ちょっと考えれば分かることから言うと、生活保護などの他の福祉に老後の生活を依存する人間が増えるという弊害がある。
つまり、公的年金という枠の中でモラルを維持したところで、他で税負担が重くなるだけなんじゃないかって気がする。

或いは他の福祉の対象にすることも認めない、できないならば、コンビニ強盗みたいな犯罪が急増する社会になる。
それで、行政は治安の維持に予算を増やす必要に迫られたり、個人の生活では警備会社のサービスの利用とか、治安の良い地域を選んで、不動産の相場が高い所に住居を構えるとか、そういう負担が重くなる。

それに、生活保護の問題に話を戻すが、今の日本は財政が火の車だから、そういう福祉の支給を切り詰める必要性が高まっているが、こんな時世でも、特定の宗教団体や政党、プロ市民に繋がりのある人間の申請が通り易くなっているという問題があるよな。
今後、年金も納めず、老後の暮らしの見通しが立たない層が増えれば、その中から、そういう圧力団体に庇護を求める奴が増えてくるかも知れない。
そうなったら、選挙は広い民意を反映した結果になり辛くなって、国政も地方の議会も特定の宗教団体・思想集団に牛耳られる社会になっちまう危険だってあるってことだ。

極端な話、未納者は死刑にするとか、年金も掛けてこなくて、老後に自立した生活が出来ないような高齢者は国外へ追放・強制移住だなんていう法でもやらない限り、何か負担増になるような気がする。刑務所を建設するのだって、タダではないのだから。

だが、まさか、保険料の未納歴のある奴を総理大臣に担ぎ上げている今の国政の舞台で、そんな極端な話が飛び出すわけもないだろうし。
そんなことがホントに実行されるなら、それこそ、特定の宗教団体に政治や社会を牛耳られるような国家体制と同じだって気がする。

社会保険方式による年金制度が定着している中での税方式化すれば、「これまで保険料を納付してきた者と保険料を納付してこなかった者との公平が図りづらくなる」だなんて、誰にでも分かる話だ。

でも、それは民間企業や個人の資産運用の理屈で、「国家」や「政府」の存在意義ではない。それ言ったら、そもそも、国がやる必要なんか無いってことだ。
社会保険庁が民営化するなら、今の年金制度からの脱退希望も認めて、希望者にはこれまで徴収してきた保険料に利子つけて返すべきだろう。

今の社会の秩序やら民主主義政治やらを守りたければ、未納者にも僅かなセーフティネットを授けることを考えざるをえないような気がしている。

尤も、俺は今の日本の民主主義政治なんか、守るに値しないか、とも思っているがな。

世界には国民に信教や思想や表現の自由、選挙権などが認められていなくても、日本よりも福祉が手厚い国もあることを知ると、「そんなものにホントに価値があるのか?」という疑念すら募ってくる。

選挙権も思想の自由もあるのに、昔の自民党の田中派などのように、「国民の保険料をグリーンピアとかで食い物にしてきた国会議員を選挙で選んできた国民って、どれだけ民度が低いんだ?」って突っ込まれるだろ?

年金崩壊の危機の要因として、少子高齢化現象を取り上げる論もしつこいが、論点がずれて、勘違いしている奴が多過ぎる。

よく、結婚しない・出産しない若い世代が批判に挙がるが、「世代間の助け合い」は「産まれてくる子供の数が少ない」から破綻するんじゃなくて、「保険料を納付する支え手」が少ないことが悪いのだ。
今や年金問題は程度の低い政局の具に供せられ、第二次角福戦争だなんて、馬鹿なことを言っているが、あいつらの親世代の議員を選挙で選んだ世代は何だ?

年金の保険料が集まらないのは、そういう政治家を選挙で選んだ世代が、不況の時代に自分たちの雇用条件を守るため、リストラを避けるために、今の若い世代を年齢相応に保険料を納付できる被雇用者に育てることを怠ったツケだろ。

一概に言えることではないが、それが無ければ、生活が成り立たなくなるような世帯に対してまで言えることではないが、例えば、今は団塊世代の消費動向が注目されている時世だが、海外旅行だとか、今ある住まいとは別に不動産を買うとか、そういう消費を謳歌できるような奴に、二階部分以上については年金を支給する必要など無いとすら思う。
2007/10/16 19:34|年金、社会保障CM:0
 

「冷たい政府」の国・日本の社会保障の財源議論 

基礎年金、全額税負担の議論を 経団連会長が初の見解

日本経団連の御手洗冨士夫会長は20日の定例会見で、自民党総裁選候補に対し「社会保障のうち、基礎年金を税制で補う方式について議論をしてほしい」と述べ、基礎年金の全額税負担方式の検討を求める考えを示した。御手洗会長が、基礎年金の税負担案を示したのは初めて。

 会見で御手洗会長は、総裁選に向け国民が最も関心をもっている年金問題をテーマに政策議論を行うべきだと指摘。その上で、「持続可能で国民が安心できる税制と社会保障の一体改革が必要」として、税財源による基礎年金の確保などの議論を求めた。

 同方式は民主党が最低保障年金制度として求めているが、「(民主党案も)財源が明確ではないため、民主党のポリシーを100%応援するわけではない」と強調。その上で、「今後は自民、民主とも政策として議論してほしい」との見解を示した。

 一方で参院選で民主党が第一党となったことを受け、「今まで以上に民主党との政策調整の機会は増やさないといけない」と話した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070921-00000106-san-bus_all

今の経団連会長・キャノン会長の御手洗富士夫は、偽装請負のことなどで、悪名が知れ渡っていて、左派を中心に厳しい批判の声が多い。俺も個人的にそれらと似たような嫌悪の情を抱いているが、この記事で取り上げられている意見については、一部賛同している。
公的年金制度の基礎部分の完全税方式化である。

でも、「民主党が7月の国政選挙で勝ったから、民主党が主張している案に理解を示すことにした」などというふうに聞こえるが、財界人は何も歩み寄っているわけではない。
何のことはない、日本経団連は民主党の支持母体の連合と同様、ずっと前から基礎年金の完全税方式化を訴えているのだ。
これは『年金の教室』(高山憲之著、PHP新書)っていう本に書かかれていた話だ。この人は目的消費税で賄えば良いなどと訴えているが、財界人の走狗なんだろうか。
とどのつまり、経団連に加盟している企業の経営者などはそのつもりなんだろう。

年金の教室―負担を分配する時代へ
年金の教室―負担を分配する時代へ

現行は、二号被保険者の保険料は雇用主が半分を納付することが義務付けられているが、その負担を軽くしたい・無くしたいっていうのが経団連の本音だ。
その分は消費税で賄えっていう意見の裏の本音は、消費税の税率が上がれば、輸出で稼いでいる企業にとっては、税の控除が大きくなるという思惑があるだろ。

それに、それが実現すれば、企業の保険料負担が無くなった分、二号被保険者の賃金は労使交渉で上乗せされる可能性が高いなどと、上記の本で書かれているが、どうなんだろう?
そもそも、経営者側は自分たちの利益になるから、そういうことを進めたいのだろう。今の日本はそこまで良心的な会社は少数派のような気がする。

以前、このブログで、元総理大臣の安倍の年金についての主張を批判するようなことを書いた。「税方式と保険料方式の半々で継続するのは、景気の変動に対して安定的だし、日本的でいい制度」だなんてインチキだってな。

上記の本は私のブログで書かれていることとは少し異なる意味で、そういう思想のまやかしを喝破しているのだが、消費税で賄うことが最も安定しているし、負担の分かち合いが平等だと訴えている。

ここから私の個人的な拙い考えで意見を書くが、前から書いているように、完全税方式化には賛成なのだけれど、財源確保の名目で、現行の消費税率を一律に引き上げる意見には賛成できないのだ。

高山っていう学者は、「景気が落ち込んでも、(衣食などの購買で)個人の消費はそんなに変動しないのだから、消費税を財源にすることが最も安定しているんだ」などと言っている訳だが、それも胡散臭いところがある。

意外と知られていないが、今の日本の国で起こっている脱税で、最も多いのは事業主による消費税の滞納なのだ。
結局、不況期に徴収が困難になる構造は、保険料方式もそれ以外の税で賄うのも変わらないような気がする。

もうひとつ、意外と知られていない話を書くと、日本よりも消費税の税率が高いと言われている国では、品目別に税率に格差が課されていて、低所得者層に配慮されていることだ。
つまり、欧米の国では生活必需品の購買で相対的に重い負担を課されてはいないが、もし、社会保障の財源として、それに大きく依存しているんだとしたら、景気の波の影響が大きいということになる。社会保障の財源は、他の課税で賄っているのだろう。

今の日本の経済右派で累進課税を嫌悪している論者は、消費税が最も平等な制度だなんて言う。
「碌に納税しないクセに、行政サービスの受給が多い層に応分の負担をさせるべきだから、消費税の税率を欧米並みに上げるのが、最も公平」などという主張である。
しかし、自分たちに都合の悪い部分については、グローバル・スタンダードは無視する二律背反ぶりである。

元々、国民全員の老後を保証するために皆年金とかいって、今の制度を成り立ったんだろうが、今や1号被保険者の区分は社会的排除そのものだと思う。

最近、被るテーマの記事を何度か書いているが、保険料の折半は言うに及ばず、福利厚生が厚い職場に勤めている人間にとっては、社会主義のような社会に住んでいる錯覚も未だにあるかも知れない。
でも、そういう「恵まれた環境」に所属しておらず、層化みたいな宗教団体やプロ市民団体のコネでもを使って、自治体の生活保護に頼ることができない人間にとっては、今の日本っていう国は、アメリカ以上に「小さい政府」の社会だろう。
まぁ、格差社会の議論が盛んになって長くなってきたが、日本は「大きい政府」「小さい政府」というより、

冷たい政府

って感じがするな。

とりあえず、俺の意見を整理すると、

基礎年金は全額税方式が良いと思う。
その財源確保のための消費税の税率の一律な増額には賛同できない。
消費税は品目別に格差をもうけて、収入の低い世帯の生活を圧迫しない。
年金に必要な財源は、他の課税や行政の効率化で賄うべし。

……こんな感じのことになるが、今の日本の政治経済を牛耳っている連中の大半の思想では、否定されることばかりだろうし、国民もそいつらの言葉に騙されている奴が多いので、それこそ世の中が引っ繰り返りでもしない限り、政治的合意にもっていくことは困難である。

だとしたら、保険料を払う与力のある奴が払った分だけ受給できるシステムなんて、格差の再生産措置でしかない。
それだったら、皆、勝手に株で運用するなり、民間保険会社の個人年金に入るなりすればいいわけで、国がやる必要なんか無いだろ。

年金・社会保障に限らない。

ロシアや米帝や中国みたいに、極限まで国益を追求する外交ができないなら、本当にアメリカの属州にでもなって、アメリカ政府に納税して、堂々と列島の防衛を要求した方がいいだろ。

警察も自衛隊も民営化しちまった方がいい。
皇室だって、伊勢でも京都でも引っ越して、何かの芸能家か、宗教法人にでもなればいい。

そんなに金持ちや企業は負担が嫌なら、弱者は助ける余裕が無いなら、今の日本人には自分たちの国家・政府なんかいらないだろ?
2007/09/22 17:34|年金、社会保障CM:0
 

年金選挙の審判 

ご存知の通り、今回の参議院選挙は与党はボロ負け、最大野党の民主党が大躍進だった。

しかし、ここまで極端な結果が出るなんて、想像し難かった。
現職の議員も候補者も質に問題があるのが多いし、マニフェストもいまいちだから、ここまで民主党の1人勝ちになるとは思っても見なかった。
自民が少し議席を減らして、既成政党に失望した有権者の支持を得る小政党の議席獲得が目立つような展開を予想していたのだが、そうでもなかった。

今度の選挙は年金選挙などと呼ばれていたが、与党の敗因は何だろうか?
そのうちのひとつについて、個人的に思っていることを書くが、今まで俺がこのブログに書いてきたことと同じような考え方を持つ人間が案外と増えてきているのかも知れない。

自民党が記録不備やグリーンピアの不祥事の責任について、自治労になすりつける論法は愚にもつかないことは論を待たないが、今回の選挙の年金についての争点は、「今後、基礎部分の財源をどうするか?」ということもあったと思う。
安倍が「税方式と保険料の半々」の今の賦課式の継続を謳っているのに対して、民主や社民は「基礎部分の完全税方式化移行」を訴えていた。

先にも書いたが、私の意見は「完全税方式」支持論で、民主党の案にも問題が無いわけではないが、消極的にでも賦課式の継続を支持する意見には、賛同できないのだ。

3週間ぐらい前、新聞の世論調査を見たら、「年金制度はどうあるべきだと思いますか?」という質問に対して、「自営業もサラリーマンも同じ制度にして、所得に応じて保険料と給付が決まる制度にするべきだ」という回答が4割近くに達していた。「きちんと給付されるのであれば今のままで良い」という回答よりも、8%ぐらい高かった。

多分、二号被保険者やその配偶者の三号被保険者の層は、「そういうことをされると、自分たちの損だ」と思う人の方が多いような気がしていたので、この結果は意外だった。

でも、俺は完全税方式反対論者や賦課式消極的支持者の意見を読むと、尚更、完全税方式にしなければ駄目かという考えが強くなるし、どうも、二号被保険者でも若い方の世代がそっちに傾くのは道理なんじゃないかと思うのだ。

完全税方式反対論者の主張、完全税方式の予想される問題点を挙げるが、所得比例の年金制度の空洞化の懸念がある。
完全税方式によって、基礎部分の支給の手形さえ確保できれば、後は行政に任せず、自分で努力するか、余裕が無い低所得者は目先の生活に回すっていう動きが加速する。就業先と合意で厚生年金を脱退する者が増えるんじゃないかっていう懸念である。
その結果、どんな問題が生じるかといえば、「世代間の助け合い」が成り立たなくなり、今の受給世代は何とかなったとしても、空洞化で原資が底を尽けば、特に受給を目前に控えた世代に対する比例部分の給付は成り立たなくなる可能性があるってことだ。

それは特に受給を目前に控えた団塊世代とか、受給が始まったばかりの世代にとっては不安なことには違いないが、現役世代にとってはどうだろうか?
「それがどうした?」っていう感情の人の方が多いから、上のような世論調査の結果なんだと思う。

大体、賦課方式は少子高齢化で遅かれ早かれ成り立たなくなるに違いないが、これから、完全税方式化で所得比例部分が破綻すると困る世代――今の50代後半・60代の人々は、賦課式の制度を維持できるだけの人数の次世代を産み育ててきたんだろうか?
しかも、その子世代は不況の時期に成人したから、親世代の失業を低く抑えるために年齢相応に賃金が伸びる仕事に就けなかった奴が多い。それがダイレクトに保険料の徴収を激減させる因果関係にもなっているだろう。

「お前らが悪いんだろう」って突っ込みたくもなるだろ。

そこから、少子化対策議論に繋がる議論も相変わらず根強いと思うが、とんでもない話だ。
何らかの対策が効を奏して、ホントに婚姻数・出生数が上がれば、それこそ、今の高齢者の年金給付は危ない。
昔と比べて、そういう福祉も増えているんだから、個人個人の幸福のことは兎も角、今の現役世代の中で独身者が減って、子供を産む既婚者が増えれば(独身は既婚と比べて、税負担が重く、行政サービスの受給が少ないから)、財政が厳しくなって、今の高齢者の年金や医療費を削減しなければならなくなってくる筈なのだ。
つまり、団塊ジュニア世代は親の年金を維持するため、親が死ぬまで結婚は控えることが、親孝行になるんじゃないの?

少子化担当大臣のオバサンが、「数の多い団塊ジュニア世代が出産可能な時期に手を打たないと」だなんて息巻いていたが、今すぐ効果が表れる対策をやったところで、その子供が成人して保険料や所得税を納めるようになるまで、20年待たなければいけない。数の多い団塊世代への年金の支給を賦課式保険制度で賄わせるには間に合わないし、却って財政を厳しくして、現役世代や企業を増税で圧迫して、国を今まで以上の不況に追い込むことになりかねない(勘違いしないで欲しいが、国の財政問題のために、結婚するな・独身を通せなどと訴えているわけではない)。

安倍晋三の個人的な思想も含めて、何故か、「掛け金を掛ける」という手続きに精神的なこだわりを見出している有権者が案外と多い。俺は日本人のそういう考え方が下らないと感じているんだけれど……。

以上、俺はこういう認識なので、今の方式のまま、これから数年間、保険料率が上がっていくことが決まっている現状は、受給世代の「自分たちさえ良ければ構わない」っていう都合で、若年層を収奪しているシステムにしか見えないのだ。
だから、賦課式制度の廃止は何があっても政治で達成させなければならないと考えている。

もうひとつ、税方式に対する反論の根拠として、「消費税の税率を上げざるを得なくなり、景気への悪影響」ということがあるけれど、愚にもつかない理由だし、欺瞞に満ちている。
今後、消費税が上がらなかったとしても、数年は年金保険料の率が上がっていくんだから、やっぱり、消費に悪影響があるだろう。
いずれにせよ、今の若い世代は信用している奴なんか殆どいないだろうし、景気のことに神経質になるならば、少ない収入を保険料で圧迫するのは止めてもらいたいって思っている奴が多いんじゃないの?
高所得者だって、そんなものを掛けるぐらいなら、自分で運用したいって考えている奴が多いし、連合も経団連も税方式に賛成なのだ。
皆が不満に感じている制度を続ける意味って、何だろうか?

自民党や構造改革推進派は、民主党の最低賃金1000円の訴えを非現実的と一蹴しているが、再チャレンジ支援だか何だかで、パートの厚生年金適用拡大だなんて、おかしなことを言っていると思うよ。
時給1,000円を払えないような会社が、厚生年金の負担に耐えられるわけが無いじゃないか。

今の景気だって、一号被保険者が未納した分の銭が消費に回っている部分だってあるに違いない。きっと、国民全員が真面目に納付していたら、汚職役人の横柄さも更に酷いだろうし、景気だってもっと悪いだろう。
納付しない・できない事情は色々あるけれど、税金も投入しておいて、納付期間が25年に満たない奴は一律に給付ゼロだなんてルールは横暴と言うしかない。
「世代間の助け合い」だなんて美名の裏側に、警察の性質の悪い交通違反の取締りと同じような汚い意図ばかりを感じる。

国民皆年金が成り立っている筈の日本の方が、年金制度が貧弱な米国よりも、働いている高齢者の割合が多いという皮肉な現象をよく考えてみろ。

民主党の案も問題が多そうだが、安倍の年金の政策は最悪である。
俺と同じような考えの奴が少なからずいるから、この選挙の結果なんだろう。
2007/07/30 17:43|年金、社会保障CM:0
 

安倍・自民党の胡散臭い社会保険庁改革 

宰相や内閣の官房長官などが、社会保険庁の全職員に賞与の返上を呼びかけたが、全体の約93%の職員が応じるんだそうだ。応じない職員については、平成22年1月に発足する日本年金機構での再雇用を見送るなどという恫喝が利いた結果のようだ。

このことについて、同情的な意見がある。
「保険料を食い物にしてきた過去の幹部職員や政治家の責任なのに、非の無い末端の職員の賞与までカットするなんて酷い話だ!」

10日の東京新聞の朝刊にも、そんな趣旨のことを書いた投書が掲載されていた。
「職員の中には、住宅ローンや子供の教育費に追われて、賞与が出なければ、生活が成り立たない人だっている。非の無い職員にまで、賞与の返上を求めるなんて酷い」
こんな内容のご意見だった。

「保険料を食い物にしてきた過去の幹部職員や政治家が一番悪く、職員が一律に怠慢なわけではない」などという主張は分からなくもないが、こういう意見はいかにも民主党支持者らしいなと感じる。

俺は自分の家が自営業をやっていた家庭環境だったから、こういう考え方なのかも知れないが、毎月の給与の他に賞与を当てにしなければ成り立たない生活設計がおかしいのだ。
そんな言い分が民間で通用するか?

こんな低レベルな批判しかできないなら、同じくらい程度の低い、自民党の公務員バッシングに騙される有権者の目を醒ますこともできないだろうに。

それにしても、安倍内閣・自民党の社会保険庁改革は酷い内容だ。
前にも書いたが、安倍の『美しい国へ』の「少子国家の未来」の章に著されている年金の話は、矛盾と欺瞞以外の何でもない。

2〜3年前、当時の金融再生大臣は郵政民営化のメリットは公務員の人件費削減などとデタラメを言っていたが、今度の社会保険庁解体は逆である。今の職員の身分は非公務員化しても、税金で給料を払うのは変わらんのだ。
それに、また、何か不祥事が起これば、国会で証人喚問やることが難しくなるのだ。
国民から強制的に集めた保険料を幹部が自由にできる構造も変わらんし、やっぱり、既得権益を残しつつ、これから社会に出てくる世代が就く筈の安定雇用を削減するだけの策にしか見えないのだ。

第一、民営にするのに国民全員が成人後は強制加入っておかしいだろ。「2本で1,000円のさおだけ」の悪徳行商も真っ青だ。
これで、「お役所仕事」が改善できるだなんて、信じられる?

国として維持していく方針なら、空洞化を根本的に食い止める策は見せ掛けだけの民営化などより、行政を簡素化する意味でも、基礎部分は完全に税方式で賄う以外に無いと思う。
安倍の「保険料と税金を半々で制度を維持していくのが良い」などという主張は、既得権益を手放したくないから、完全税方式への移行を阻止したい輩の見苦しい言い訳にしか聞こえないのだ。

まぁ、民営化後は脱会希望者には、今まで納めた保険料は利子つけて、返還してもらえるっていうなら、民営化を支持する人は増えるかも知れんがな。
2007/07/13 20:00|年金、社会保障CM:0
 

年金争議 

年金記録の問題が大騒ぎになっている今日、参院選を目の前にして、与党・自民は急遽、選挙の争点を今まで大声で訴えてきた改憲・教育再生から、年金をメインにする論法を取っているが、野党と何を争っているのか、よく分からないし、国民の不安を鎮めるための相談窓口の設置とやらも意味不明である。

人材派遣からサプライズしたコールセンター要員が電話で対応できることなど、オンラインで社会保険庁のサイトにアクセスすれば、確認できる範囲なので、人件費の無駄の極致でしかない。

それに、俺が奇妙に思っていることは、相談窓口に問い合わせする人間の年齢層はどちらかといえば、中高年が多いことだ。

この問題の根本的な原因は要するに、被保険者の退職や転職の時の手続きの漏れだろう。
転職や婚姻・離婚の回数が多い人ほど、手続きの怠りによって、記録が漏れている可能性が高いわけだ。
だから、特に心配しなければならないのは、転職が多い人――どちらかといえば、雇用が流動化した今の社会の若い世代の方なんじゃないのか。ひとつの職場に一生、勤め続ける人の方が多数派の世代の人間の「相談」「照会」が多いなんて、変なことに見える。

定年まで終身雇用にぶら下がり続ける男が専業主婦と子供を養う家族形態が大多数の社会が続いていれば、こんな政治問題には拡大しなかったのだろう。

元はと言えば、今の制度の成立と同時期に施行された、雇用の流動化を促進する派遣法とか、女の社会進出を促す男女雇用機会均等などが、昨今の転職が多い社会の構造の発端で―― 一号・二号・三号という被保険者区分が頻繁に変わる人が急増して、社会保険の事務作業の煩雑さに繋がっているのだ。
基礎部分は一元化とは言っても、一号被保険者の保険料は平等負担、二号は応能負担というダブルスタンダードもおかしいと思っている。

雇用を流動化だとか、生き方の多様性を促進するなら、社会保険も手続きが煩雑にならないやり方に変えるべきだったんじゃないかと言えるが、元は積立式で始まった制度で、その資金の運用に利権を見出している輩の抵抗があるから、そういう改革は政治的な合意の形成は困難なのだと思う。
でも、自営業者じゃなくても、被保険者の収入を全て把握することが困難になっている社会なのだから、全部個人単位の平等負担にした方がいいような気もしますがね。

制度自体については、何も議論することなんか無いだろう。
もう、何年も前から、自民の背後の財界も、民主党の支持基盤の大労組も、基礎部分については、「全て税で賄う方式にしろ」って訴えてきているのだ。
渦中の安倍宰相は、「不況で税収が激減するリスクをヘッジする目的でも、自助と共助の精神を残すためにも、税方式と保険料方式の半々が理想」などと自著で述べているが、俺個人の考え方も、全部税方式の方に傾いている。
それに、保険料納付制度は不況のときのヘッジにもならない。とどのつまり、景気が悪くて、政府に税収が入ってこない時期は国民の生活・民間企業の経営だって、うんと苦しいんだから、保険料をズルする会社、一号被保険者の未納だって激増だろ。馬鹿なことを書いているとしか思えなかった。
安倍の著書の年金に関する章を読むと、投票率の高い年輩の有権者の利害を重視した内容としか思えなかった。

いずれにしろ、今の日本の企業って、規模の大小問わず、従業員の保険料の負担を重く感じて、嫌がっているだろ。なので、長い目で見て、僕が上に書いた形に改定されていくと思う。

社保庁の改革にしたって、これは公務員全体に言えることだけれど、今のキャリアの利権を保持したまま、これから国を支えていく世代には、不安定な雇用を増やしてやるだけの結果に落ち着くんじゃないかって気がする。


あの異様なカリスマで5年も政権を運営してきた小泉でも天下りや無駄な公共事業を減らせなかった。「八方美人の晋ちゃんに、何ができるの?」と冷ややかに見ている。

でも、あわてふためいている振りをして、実は最初から、今年の参院選は年金を争点に持ってくる想定だったんじゃないかって気がするよ。
改憲や教育再生などよりも、年金は投票率が高い世代の票を集めやすいネタだからな。
2007/06/17 17:24|年金、社会保障CM:0
 
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