駄猫の時事放談

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みんなサブプライムだぜ 

これを書いている2月2日の時点では、少し戻してはいるが、米帝のサブプライム問題の波及による景気後退懸念、政局の混迷などを失望した売りが嵩んで、株価は年明け早々、大暴落である。

俺は年頭の記事で、

「極端な強気・弱気の予想をしている専門家は殆どいないみたいなので、多分、今年はどちらにしても、極端に動く展開になるかも知れないですね。」

と書いたが、そう語っておきながら、まさか、初っ端から日経225平均株価が14,000円を割る展開を見せるとは思っても見なかったぜ。
それにしても、国粋主義者の安倍晋三よりはマシだと思っていたけれど、フクスケも酷いね。
この水準に下がるのは、2年来のことなんだそうだ。
つまり、前々宰相の小泉が解散選挙を強行して快勝を収めてから、内外の投資家の好感を集めて突破して以来、ここより安くなったことは無かったわけだ。

政治的な要因を取り上げると、要するに、小泉が政治的に勝利を収めることで、日本の旧弊な物が解体されて、富の効率的な配分が進んで、経済が活性化するみたいな予想で買いが集まったんだとしたら、今はそれと全く逆の現象が起こっているわけだ。
ガソリンの税率の議論を眺めていても、今のこの国の癌になっている既得権益層の粛清が進まず、どうにもならない様子がよく分かるから、失望売りの一因になっているんだろう。

しかし、何よりも、米帝のサブプライム問題の背景を大雑把に知っただけで、こんなふうになることは凡その想像がついたというものだ。

日本の日経225平均株価が40,000円近くの水準から暴落して、不良債権の処理が進まず、不景気が続いて、株価は調整が続いている間、米帝の新ヨーク・ダウ・ジョーンズはどんな推移だった?

2,700ドル前後から、現在では10,000ドル以上に上昇しているが、何だかんだいって、今でも上昇トレンドは維持されている可能性もある。

経済や株式投資の基本として、たまに逆・例外はあるが、株価は景気に先行するって言われているが、米帝は景気が拡大するっていう期待があるから、この十数年を通して、概ね買われ続けてきたのだと思う。
では、「米帝は景気が拡大するっていう期待」「景気」を下支えしたのは何かって言うと、サブプライム・ローンが大きかったわけだろう。
不動産が値上がりする前提だけで成り立っていた金融商品だな。だから、雇用が不安定で、年収が低い層でもローンを組むことが可能になって、消費が活性化したわけだ。
フリードマンとか、ハイエクみたいな学者の主張が幅を利かせて、レーガンなんかがそれを取り入れた改革を進めたせいで、既存の銀行の与信審査をパスできない被雇用者が増えたから、内需の拡大で好景気を実現させるには、そういうシステムを作る必要があったわけだろ。

対して、現在の日本は、その米帝の政治経済にかぶれたヤツに牛耳られてきたが、「アメリカの後を追っている」とか、「アメリカで起こった現象が、時期を遅らせて、日本でも実現する」みたいなことが言われていますよね。

しかし、これに関してはどうなのかな?
今の日本で、そういう金融商品を介して、低所得層の消費を煽って、景気拡大なんて、できない相談だろう。
普通に考えて、既に避けられない人口減少期に突入した今、不動産が値上がっていくとは思えない。
いや、正確に書くと、人口は減り始めているが、2015年前後まで、世帯数の増加は続くのだ。それこそが、実はあまり値下りしない要因なのだろう。
終身雇用の恩恵を享受して、退職金も年金も存分に受け取る年齢層とか、今の30前後の世代でも、何とか中流層になっている層の数がそれなりに多く、不動産の購入意欲があるからだろう。だから、一部の都市部では、マンションの「売り惜しみ」現象なんて起こっているのだろう。
でも、いずれにしろ、近い将来には確実に弾けるバブルだと思うが。

だから、所得格差が拡大しても、今までの米帝みたいに、日本で好景気を実現させるためには、もっと早くからサブプライム・ローンを普及させておくべきだっただろう。
今からじゃ、これからの値上がり期待が限られていることなんて分かりきっているが、さりとて、数年前は不良債権処理のことで、金融機関に対する世間の目は厳しい。
そんな仕組みのローンなんて、出資者を募ることなんてできなかったかも知れない。
サブプライム層に融資するローンだなんて……。

ついこの間も大手都市銀行が、アメリカのそれに手を出して、大損したっていうニュースがあったな。
海外の物なら、「有望な新興国、成長国への投資」というコピーで粉飾できるから、騙される出資者も多いんだろう。
でも、日本の不動産ローンの債権の証券化なんてしたって、誰が出資してくれるの?

「やっぱり、今までの米帝みたいな好景気が来ないんだろうな」って、何となく感じる。

「若者のクルマ離れ」についてだが、販売の最前線にいる業者は、所得格差のせいで、若者の購買力が落ちている要因が大きいことを特に実感しているそうだ。

クルマでもそうなんだから、ましてや、住宅は。
ちょっと前に下記の新書を読んだんだけれど、そういう購買力を持った客が減っていることについて、その辺の街の不動産屋の実感も察せられることが軽く書かれていた。

住宅喪失
住宅喪失

正直な話、家を買いたいという方が来られても、お仕事が派遣と聞くと、がっくりきちゃうんですよ

多分、最近の不動産屋とか車の販売業者なんかは、ローンでの商品の購入を希望する客が来ても、それが審査に通りそうにもなければ、その客のことを陰で「サブプライム」って呼んでいるんだろうな。
「どうせ、アイツはサブプライムだしなぁ……」とか。

何というか、こんな格差社会になる前からのことだけれど、この世の中、何かが劣っている層に対して、カテゴライズするための用語を名付けるものなのだ。

ニートだとか、負け犬だとか、負け組みだとか、パラサイト・シングルだとか、ネットカフェ難民だとか、ワーキング・プアだとか、引き篭もりだとか、腐女子だとか、喪男だとか、下流だとか、ドキュンだとか……。他にも何かあったと思うけれど、ここでは思い出せない。

もう、面倒臭いから、全部ひっくるめて、サブプライムって呼びたくなってくるぞ。
今日から、このブログの独自用語の定義では、みんなまとめてサブプライムである。

しかし、誰がそれを上から見下ろす目線で侮蔑の念を抱けるのだ?
世界に冠たる経済大国の筈の米帝も、日本も、赤字で首が回らなくなりつつある現状は、米国のサブプライムで破綻しかけている世帯や上海の房奴なんかと同じようなものだろ?
2008/02/02 23:00|経済CM:0
 
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