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国籍法改正案の騒動の裏を考えてみた 

現行の条件(婚姻)を満たして行われる不正だって、完全に水際で防止できず、犯罪の温床になっているという現状なのに、果たして、父親の認知だけで与えるルールにしてしまっていいのか?
絶対にもっと十分な時間を掛けて、議論しなければ拙い問題だと思うんだけれど。

俺はこの法案のことは、18日の夜――衆院で通ってしまった後、いつも巡回しているブログで、まとめサイトへのリンクが貼られているのを見て初めて知った。

この改正案に反対している議員の名前の一覧表があるけれど、殆どが自民党の保守系の議員だ。
危機感を募らせているブロガーもほぼ全員、保守色が濃い思想で、民主党やその他の左翼政党、創価・公明を敵視、反中国・反朝鮮の人々だ。

もう、自民党が優位を保っている衆議院で通ってしまったのなら、参議院で阻止するのは難しいといった状況だろうか。

だから、目前に迫った衆議院選挙で、この改正案を推進した河野太郎を筆頭とする「売国議員」を落選させ、改正法に反対している者を中心に「愛国議員」を応援しようというキャンペーンも展開されている。

でも、人によって「愛国議員」「売国議員」の判断の尺度に差異があるようだ。例えば、麻生太郎の責任も厳しく追及しているブログもあれば、擁護・応援しているブログもあるのだ。

まとめサイトのリンク集に『「反日勢力」の情報を総括したサイト』があるのだが、多くの国会議員について、愛国性・売国性の格付がなされている。
しかし、そこで安倍晋三が最高位の愛国議員に格付けされているのを見て、ちょっとガックリきてしまった。同じ思想のサイトの中には、統一教会との繋がりを指摘して、その愛国性を疑っている人もいるんだが、俺個人も否定的な目で見ているのだ。
逆に真の愛国者だと信じて、あんな酷い辞任の仕方をした後でも支持している奴もいるよね。

民主党については、中国・朝鮮の手先っていうレッテルが根強いが、民主党内にも「愛国性」の高い議員がいることを指摘している人もいる。

「民主党には絶対に投票しない」「自民がいくら駄目だからと言って、民主に入れるなんて、売国行為そのもの」っていう痛烈なことを言う人もいる。

ここが今日の記事の本題なんだが、そういう主張に危険なものを感じている。

また、『「反日勢力」の情報を総括したサイト』には、反日的なブログのリストも作られているが、反日ブログの特徴として、「護憲(9条堅守)」や「反米」を挙げていることが気になる(天木直人のブログが入っている)。

ここで話を移民の問題のことに戻すが、この改正法も含めて、日本に移民を受け入れることに否定的な人の多くは、欧州諸国の失敗例を述べている(俺もそれらに概ね同意しているのだが)。

その代表例はフランスだろうが、俺はこの国について、不思議に感じていたことがある。
3年ぐらい前、フランスは政府が解雇規制を緩和する法案(CPEとかいう略称だった)を出そうとしたら、全土で激しいデモが起こっただろ。それで、国民の怒りの声の大きさに驚いて法案を引っ込めてしまった。そんな出来事があったよな。
そういう国民性なのにどうして、親米的な外交政策で経済思想も新保守主義に傾斜しているニコラ・サルコジなんかが大統領に選出されたのだ?

しばし理解に苦しんだが、ちょっと考えれば合点がいくことだ。

今の日本のネットに多い愛国者の中国人・朝鮮人に対する負の感情のように、フランスの国民の多くが、自分たちの納めた高い税金で福祉を享受してきた移民を憎悪している。
よほど、サルコジはそういう移民への不満・憎悪を持つ国民の心を掴むパフォーマンスが優れているからなんだろう。

サルコジが大統領に就任した頃から、フランスの社会は何が変化しているかというと、職場でメンタルヘルスを患う労働者が増えているらしい。新保守主義的な経済政策が導入されて、国民の労働環境は厳しくなったわけだ。
なんと、大統領のモットーは「もっと働き、もっと稼ごう」だそうだ。日本や米帝のように、国民の労働時間を長くしていく方針の政策で、国民の抵抗感を取り除くため、「残業代には所得税を課税しない」などという税制を導入したらしい。恐らく、将来は裁量労働制とか言って、企業の残業代の支払い義務を撤廃する予定になっているだろうか。
因みに大統領自身も移民の子(ハンガリー系)なのだが、実は移民の受け入れに積極的な態度を取っているらしい。

俺は今の日本のネット上の国籍改正案の騒動を見ていて、こんな疑念を募らせている。今度の衆議院選挙の結果によっては、上記のフランスと同じような流れになるんじゃないのか?

ここで注意して、国籍改正案に反対を表明している議員の名前を見るべきだが、国籍改正案に反対している議員の全てが移民に反対しているわけではない。
移民を1000万人受け入れる構想を描いている外国人材交流推進議員連盟に入っている者もいるんだけれど、この人たちは何なの?
俺が気付いた限り上げれば、宮路和明、亀岡偉民、木挽司、岡部英明……
それに、ホントに国益に適っているかどうか疑わしい郵政民営化の翼賛者もいるよな。

この騒動が端緒となって、ネット上を中心に民主党以下の野党を全て切り捨てる発想が広がって、今度の衆議院選挙は3年前と同じく自民党の大勝になったら、サルコジが大統領に就任して以来のフランスと同じようなこと――経団連や派遣業界や外資を利し、国民を益々厳しい労働環境に追いやる法整備が次々に成立していくのではないのですか?
当然、大多数の国民の願いも無視して、移民の受け入れも進められてしまうのではないのですか?

『「反日勢力」の情報を総括したサイト』の反日ブログの特徴に「反米」が挙げられているのを見て、俺はそういうことを勘繰ってしまうんだが。

大体、ネット右翼は在日朝鮮人の不当な生活保護の受給を槍玉に上げているけれど、今の日本の国は米帝から、それとは桁違いの搾取をされている。兆単位で償還が不可能だと分かりきっているクズ債権を売りつけられ、軍事予算も負担させられ。
そういうことを糾弾しているブログ主が、どうして反日なのか?

「政党じゃなくて、人物を見て投票しよう」って言う主張なら頷けるが、一概に自民が正しくて、民主が反日っていう発想には賛同できない。
そういう発言を見かけたら、サルコジと同じことを目論んでいる愛国奴を装った売国奴だと疑ってかかった方が良いだろう。
大体、比例の名簿の一番に猪口邦子みたいな出自が赤の候補者を入れるような政党がマトモな保守の担い手のわけがない。
今の日本の選挙は政党で選ぶことができない。今の日本の諸政党は、共産党と新風以外、政党の体を成していないって思った方がいいだろう。

無論、俺は移民の受け入れには反対である。
今、目の前の失業・雇用の問題に碌に対処せず、将来の労働力不足を懸念して、こんな膨大なコスト・国民にリスクを背負わせることを推進するなんて、

将来、病気になるのが不安だから自殺したいです

って言っているような愚考の極みだろう。

年金不安を少子高齢化のせいにしているが、移民が社会保障の支え手になると本気で思っているのか?
早晩、財政破綻だろう。
2008/11/24 02:55|政治CM:1
 
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#|2008/11/24(月) 13:48 [ 編集 ]
 
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